キメラアント編のモラット戦でイルミの針を抜いて覚醒したキルアだが、それまでのストーリーを見るにつき多くの疑問が残る。
キルアの頭に刺さっていたイルミの針は「自分より格上との戦いを避ける」という類の命令を指示していたと考えられる。モラット戦の序盤やビスケ、モラウの指摘から考えても(さらにはイルミ本人の発言)この予想は正しいと考えられる。
しかしそうだとすると納得の行かない場面がある。
【疑問1】サブ戦での冷静さ
キルアは自己分析でサブのことを「体術や身体能力は自分のほうがやや上。ただオーラの総量は相手のほうがかなり上」だと見ていた。念での戦闘では身体能力うんぬんよりも念の錬度が大きくものを言う。
そのことはキルアもよく理解しており、戦う以前から不利を自覚していた。
それにも関わらず、この戦いではモラット戦やシュート戦で見せた弱味を一切見せていない。むしろ終始冷静さを保って相手にフェイントを仕掛けるほどの余裕も見せている。イルミの針が発動するには絶好の機会であったにも関わらず、どうして発動しなかったのだろうか。
【疑問2】ノブナガとの対峙
ヨークシン編で幻影旅団に捕まった後、監視を務めていたノブナガに立ちはだかってゴンを助けようとした。結局この時はゴンの機転によってノブナガとの対決は回避されたが、この時のキルアは明らかな格上であるノブナガとの戦闘を覚悟していた。
この時もイルミの針は発動していたが、キメラアント編と比べると微々たるもので強い決意によって抑え込めるていどのものだった。
少なく見てもノブナガの実力はモラット以上はあるので、もっとびびっていてよさそうなものだ。
【疑問3】針の効果
そもそもイルミの針の効果が強すぎる。何百キロも離れているキルアの精神状況に対し、あれほどまでに強く作用できる念能力など存在するのだろうか。仮にあったとしても、キルアに刺さった針はイルミにとっては数ある針のうちの一つに過ぎない。
さらには針を刺した時期が恐らくかなり前であることを考えると効果の持続期間も恐ろしく長い。
これらのことを総合して考えるとイルミの針がおかしいくらい強力過ぎる。