ヨークシンシティ編以降、グリードアイランド編やキメラアント編を経て念能力者として格段に成長した主人公ゴン=フリークス(会長選挙編では戦闘場面がなかったので無視した)。ビスケと言う世界でも屈指の名ハンターに師事してもらったことも大きいが、それ以上にゲンスルーやネフェルピトーと言った一流の念使いと対峙したことが成長に大きく寄与したと言える。
しかしそんな修羅場を幾つもくぐってきた現在のゴンでもまだ幻影旅団には勝てないだろう。今回の記事ではその理由について3つの項目に分けて話していきたい。
ちなみにここで言う幻影旅団のメンバーとはフェイタンやフィンクスのような戦闘員を対象としている。
【理由1】ナックル、シュート、モラウの実力
ゴンの現在(会長選挙終了編時点)での強さを計る方法の一つが「ナックルやシュートの実力」だ。キメラアント編においてゴンは一対一の戦いでナックルと勝負して敗れている。ゴン自身その後はそれほど大きな戦闘や訓練も経験していないため(ネフェルピトー戦を除く)、この時点での実力は現時点の実力とそれほど変わらないと考えても良いだろう。
そこでナックルとシュートの実力を考えるわけだが師匠のモラウよりは弱いと考えるのが普通だろう。師弟関係という考えを抜きにしても討伐隊の最初のメンバーにモラウが入っていてナックル、シュートが入っていなかったことを見てもこれは間違いないだろう(キルアは性格の問題を指摘していたが、戦闘ではナックルやシュートの性格の甘さも考慮することになる)。
またゴンの「体術ならナックルはカイトと同じレベル」と言っているが、これは逆に言えば「総合的な実力ではカイトに劣る」ということを意味するだろう。
そうなるとゴンはモラウやカイトよりも数段実力が劣ることになる。
それに対して幻影旅団がモラウやカイトよりも遥かに弱いとは考えにくい。カイトとは間接的な接点すらないので判断が難しいが、モラウの場合キメラアントの師団長と戦っているので多少の判断材料があると言える。
モラウもフェイタンもそれぞれキメラアントの師団長を倒しているわけだが、どちらも同程度の戦いぶりだったと言えるのではないか。描写を見る限りはフェイタンが傷を負っているため苦戦しているように見えるが、その時点ではフェイタンは発を出しておらず、さらに言えばレオルよりもザザンのほうが戦闘に向いたキメラアントだったことを考えると「同程度」との表現が妥当だと考える。
この程度の判断材料では確固たる自信は持てないが、とりあえず「モラウ≒幻影旅団」の関係式は成り立つと考えられるため、ゴンはまだまだ旅団には勝てないだろう。
【理由2】ゴンが勝ってきた相手
これまでゴンが勝ってきた主な相手はギド、ゲンスルー、ネフェルピトーの三人だが、この方々にはある共通点がある。それは「戦闘経験が豊富ではない」という点にある。
ギドは天空闘技場の格闘士のため豊富な戦闘経験がありそうだが、200階クラスに上がってからは新入りとばかり戦っていたことを考えると互角以上の相手との戦闘経験はかなり少ないと予想される。
ネフェルピトーの場合はそもそも生まれたのが最近なので戦闘経験は当然乏しい。
最後にゲンスルーだが彼の場合、実力から考えても戦闘経験自体はそれなりにあるだろう。しかしツェズゲラと同じく慎重な性格で無暗に実力行使するタイプではない。グリードアイランドで5年以上も本格的な戦闘を行っていないことや、バラやモブに「バトルは最終手段だ」と戦闘に対して消極的な発言している所を見ると「実力の割に場数(特に修羅場)が少ない」タイプの可能性が高い。
ゴンはこうした「実力はそれなりだが、経験値に乏しいため格下に足元をすくわれやすい」相手に勝ってきただけだと言える。そのため百戦錬磨の幻影旅団に対しては分が悪い。
【理由3】ゴンは僕らが思うよりもかなり弱い
これを読んでいる方がゴンをどのていどの実力者と見ているかは分からないが、ひょっとするとゴンはまだかなり弱い部類ではないか。グリードアイランド編以降を考えるとゴンはゲンスルーやネフェルピトーを倒しているが、ゲンスルーに対してはキルアが用意した作戦で、ネフェルピトーに対しては主人公ならではの必殺技『ゴンさん』を発動して勝っただけだと言える。
この間にベラム兄弟や複数のキメラアントを倒してはいるが、彼らの実力は幻影旅団のような世界最強クラスの念能力者から見ると雑魚レベルと言える。
ましてビスケがゴンに課した修行は短期間に強敵を倒すために無理に難度の高いものが多く、結果としてあまり身についていなかった(放出系修行Lv.5など)。
そう考えるともしかするとゴンはヨークシン編以降あまり成長していなかったのではないか。