HUNTER×HUNTER最初期から強敵として登場しているヒソカだが、登場から30巻以上が経過している現在でも「作中最強」の呼び声が高い。一般的なバトル漫画だと後から出てくるキャラクターほど強くなるものだが、どうして初期キャラクターであるヒソカの戦闘力が現在でも高く評価されているのだろうか。
その原因について探ってみた。
バトル漫画としてのHUNTER×HUNTERの特徴
バトル漫画としてHUNTER×HUNTERは物語が進むにつれて登場人物の戦闘レベルがほとんど向上しない珍しい作品だと言える。作中において戦闘レベルが飛躍的に上がったタイミングとしてはヨークシン編で幻影旅団が登場した時とキメラアント編でメルエムが登場した時くらいだ。
それ以外は印象として周りのキャラクターが強くなった印象は無い。グリードアイランド編などはその最たる例で、最大の敵となったゲンスルーでさえ幻影旅団の戦闘要員と比べれば見劣りしていた。
このようにHUNTER×HUNTERは物語途中で敵の戦闘レベルが下がることがあるため、登場人物の戦闘レベルが飛躍的に向上することがない。ヒソカが最強で居続けられる理由の一端もそこにある。
戦闘に対する異常なまでの執着心
原作を見ての通りだがヒソカの戦闘に対する姿勢は他のキャラクターとは一線を画している。そもそもHUNTER×HUNTERでは好きで戦闘をしているキャラクターが少ない。真の戦闘狂と呼べるのはヒソカ、ウボォーギン、ネテロくらいのものではないか。
その一方でゼノ、クロロ、シルバなどは実力はあっても明らかに戦闘好きとは違い、他の目的のために高い戦闘能力を身に付けているという感じだ。
HUNTER×HUNTERではこうした「戦闘好きではないが、戦闘に強い人物」が多く、ヒソカのように純粋に戦闘が好きな人物はむしろ珍しい。そのためヒソカのように才能豊富な戦闘狂が敗れる姿が想像できない。
巧みな心理攻撃
念能力は通常の肉弾戦に比べて精神的な要素に大きく左右される。そうした意味でもヒソカはかなり強い。もともとの不気味な雰囲気に加えて巧みな言動で相手を錯乱状態に追い込むことを非常に得意にしている。
この点もヒソカが念の戦闘で無敵な大きな理由になっていると思う。