今やネットで有名なミームの1つだが、元ネタは HUNTER×HUNTER に登場するモブキャラのセリフ。『おそろしく速い○○ 俺でなきゃ見逃しちゃうね』といった具合で様々なシーンで使われる。
セリフを言った本人はキャラクター名すらない完全なモブなのだが、あまりにもセリフが有名になりすぎた結果ファンの間では『団長の手刀を見逃さなかった人』で通じるほどになった。
元ネタのシーン
ヨークシンシティ編でマフィアンコミュニティは幻影旅団を暗殺するためにプロを雇い暗殺者チームを結成した。
その多くが同じく雇われたゾルディック家を前に委縮してしまうなか、『団長の手刀を見逃さなかった人』は気圧されることなく、クラピカにも「(ゾルディック家に)なんとか対抗できそう」と評されている。
さらにシルバ、ゼノ、クラピカと同様、チームでの連携に反対し単独行動を宣言。
そしてこの『団長の手刀を見逃さなかった人』が監視カメラのモニタールームで目撃したのが、団長(クロロ)が大衆のなか周囲に悟られず手刀でネオンを気絶させるシーンだった。
「その画面巻き戻せるか?」
「ん?ああ」
(おそろしく速い手刀 俺でなきゃ見逃しちゃうね)
そして『団長の手刀を見逃さなかった人』は「久々に血が騒ぐぜ」とクロロを追うのであった。
なぜネタにされるのか
ここまで持ち上げておいて、あまりにもあっさりとクロロに返り討ちにされてしまったからである。戦闘シーンの描写すらないに等しく、クロロと対峙するシーンの後、次に登場する時には既に敗北してしまっている。
ここまで丁寧に丁寧に築き上げた典型的なかませムーブもなかなか珍しい。
前述の通り、ここまで『団長の手刀を見逃さなかった人』は完全に強キャラを匂わせている。さらにこの後もクロロが残した「同類にのみわかる道標」を辿り、気配を消すクロロに警戒を重ねつつ対峙する様子が描かれている。
リアルタイムで読んでいた読者はクロロに勝てるとまでは思わないまでも、これから念による激しい戦闘シーンが描かれることを期待したはずだ。(しかも手練れ達による念能力バトルがガッツリ描かれ始めたまさにそのタイミングである)