誰に言われた訳でもないが、幻影旅団で最強のメンバーは団長であるクロロだという風潮がある。しかしこの風潮に対して異論を唱えてみようと思ったので記事を書いてみた。
確かにクロロは作中屈指の実力者だと思うが、それを持ってしても旅団最強ではない。真の旅団最強メンバーについて新しい理論を展開していくことにする。
特質系能力者であることの弱味
まずはクロロ=ルシルフルに関するネガティブキャンペーンから始めよう。ご存じの通りクロロは特質系能力者だ。それぞれの系統の相性を表す念能力の六性図によると特質系能力は強化系能力の反対側に位置しており、このため強化系能力を40%の精度でしか使用できない(習得率も同様の割合になる)。
幾つかの場面で言われているが全ての系統能力のうちで攻守に最も優れた能力は強化系であり、系統を知る前のクラピカは念能力者としての戦闘能力を高めるために自信が強化系に属する能力者であることを望んでいた。
これは強化系の特性が「物体、もしくは肉体の強化」のため戦闘に直結していることに由来する。
特質系はこの強化系能力を半分も使用できないのだ。これは大きなハンデだと言っていい。さらに言えば強化系に隣り合う変化系、放出系も60%の割合でしか使用できないのも痛い。
これらの系統は具現化系、操作系能力よりも実戦に応用しやすく、ゴンも強化系でありながら必殺技に両方の系統能力を取り入れている。
スキルハンター(盗賊の極意)について
こうした特質系自身の弱みに加えてクロロの能力であるスキルハンター(盗賊の極意)は戦闘における有効性に疑問がる。スキルハンターには「能力を盗む」と「盗んだ能力を利用する」という二つの側面があるが、実力が伯仲している相手に能力を盗むことができないのは制約から見ても、ゾルディック家との戦いから見ても明らかだ。
さらに「盗んだ能力を利用する」だが、これも戦闘においてどれほど役に立つのかは疑問だ。そもそもクロロが盗んできた能力のほとんどは、先ほどの理論から言うと「クロロよりも遥かに弱い相手が持っていた能力」になる。
ということはスキルハンターに収められている能力のほとんどは「大して戦闘に役立たない能力」ばかりの可能性が高い。ごく稀に戦闘で有効に活用できる能力があったとしても特質系能力者であるクロロではその威力を充分に発揮できない可能性が高い。
スキルハンターはあくまでも能力を再現するであって、その精度まで保証してくれるわけではない。そう考えるとスキルハンターは戦闘ではほとんど役に立たないのではないか。
真の旅団最強は誰か?
以上の理由からクロロは旅団最強でないと考える。しかしそうだとすると旅団最強は誰になるのだろうか?
■絶対にあり得ない方々
まずは消去法的にあり得ないメンバーを消していこう。
※32巻時点で死亡しているメンバー、旅団を脱退しているメンバーは除く。
- コルトピ
- シズク
- カルト
旅団の腕相撲ランキングで最弱。念の戦闘では身体能力の高いものが勝つわけではないが、かと言って全く関係が無いわけでもない。コルトピの能力を考えても明らかに武闘派ではないだろう。
キメラアント編における蟻との戦いを見る限り最も苦戦していた。腕相撲ランキングでもコルトピに次ぐブービーだった。
キメラアント編において自ら語っていたが、他の団員と歴然とした実力差があるとのこと。
■おそらく最強ではない方々
- ノブナガ
- フランクリン
- マチ
- ボノレノフ
間違いなく戦闘要員ではあるが「円の半径4m」というとてつもなく情けない数字を聞かされると、とても旅団最強とは思えない。
決して弱くは無いだろう。ただしダブルマシンガン(俺の両手は機関銃)を見る限りタイマンでの戦闘は不得手なのではないか。
こちらもフランクリンと同様に主だったマイナス点は無い。ただ念糸を使用した能力は戦闘に特化しているとは言い難いため最強ではないと判断した。
戦闘描写を含めた登場回数自体が少なすぎる。何よりも見た目が最強という感じではない。
■旅団最強の候補者たち
- シャルナーク
- フェイタン
- フィンクス
ここでシャルナークの名前が出てくることを疑問に感じる人は多いだろう。しかしシャルナークの能力ブラックボイス(携帯する他人の運命)は一度アンテナを相手に刺してしまえばそれで決着がついてしまう必殺の能力なのだ。シャルナークほどの使い手が相手に接近すらできずに致命傷を負うとは考えにくい。
また旅団の中ではクロロに次ぐ頭脳派であることも考えると戦闘で敗北することはまず無いだろう。
許されざる者(ペインパッカー)がチート過ぎる。圧倒的な防御力を誇るザザンを簡単に葬っていたが、まだあれでも最大威力でないというのが末恐ろしい。ただし基礎的な戦闘能力に関しては随分となまっている様子。
ウボォーギン亡き現在、旅団の腕相撲ランキング最強に位置する人物。強化系能力者ということを考えても攻防のバランスには長けているだろう。またウボォーギンがパワー重視型の強化系能力者であったのに対し、フィンクスは体格を見る限り敏捷性にも優れている可能性が高い。
戦闘において全ての面で均衡の取れた使い手だと考えられる。