会長選挙編で本編開始以降の目的であった「親子対面」が実現したわけだが、その後で世界樹の頂上でジンがゴンに語った言葉がまさにHUNTER×HUNTERのストーリー全体を物語っているものだった。ジャンプのバトル漫画とは思えないよく考えられたこのセリフを詳しく見ていきたい。
話しの内容
話し自体は結構長かったが、ジンが言いたかったことは端的な表現で表されている。
「大切なものはほしいものより先に来た」
※32巻338話より抜粋
この他にもいろいろと言っているが、ジンの言いたかったことはこの一言に集約されていると言っていいだろう。
言葉の意味
ゴンがジンに会って訪ねたことは「ジンが求めているもの」だった。ジンはルルカ遺跡に興味を持ちハンターになることを決意したのだが、プロのハンターになってルルカ遺跡の発掘に着手する中で様々な人と出会い色々な経験をした。
彼らはジンの仕事上のパートナーというだけでなく友人として良い関係を築き、長い年月の末にルルカ遺跡の発掘に成功した。
いざ遺跡の現場に入って発掘を行うと長年ジンが追い求めてきたルルカ遺跡の真実より、ともに活動してきた仲間と握手したことのほうがよほど感慨深かった。この経験がジンに与えた影響は大きかったようで、これがこの後のジンの人生に大きな影響を与えたようだ。
HUNTER×HUNTERのストーリー
そしてこれはHUNTER×HUNTERのストーリーとも明確に重なり合っている。HUNTER×HUNTERはゴンがジンに出会うことを目的として始まった作品だが、ゴンはジンに会うために旅を続ける中でキルアやレオリオといった貴重な仲間たちと出会っている。
これがまさにジンの言う「欲しいものよりも先に来た大切なもの」に当たる。
そして長い旅の末にようやくジンと再会したゴンだったが、その場面はやけにそっけないものだった。これもジンがルルカ遺跡に入った時と似ている。
ジンがゴンに語りかけた言葉はまさにそれまでゴンが歩んできた人生を映すかのようだった。